マツエク、ラッシュリフト施術の際には、下まつ毛や皮膚の保護を目的として下まぶたにテープを貼ることは必須の作業です。しかし、テープが肌に直接触れるため、お客様の肌質によっては皮膚トラブルを起こしてしまう方もいます。この記事では、テープワークやテープの素材によって起こりうるトラブルの紹介と、目元のテープが苦手なお客様への対処法やおすすめのツールをベテラン講師が詳しく解説します!
INDEX
テープによるトラブルとは?

かゆみや乾燥など、テープワークやテープの素材が原因による皮膚トラブルは複数あります。どのようなトラブルがあるのか詳しく見ていきましょう。
接触性皮膚炎
原因物質が直接皮膚に触れることで起こる肌のかぶれを「接触性皮膚炎」と呼びます。かゆみや痛みを伴って赤く腫れたり、水ぶくれなどができることがあります。接触性皮膚炎は刺激性とアレルギー性の2パターン存在しますが、テープがお客様の肌質に合わない皮膚トラブルのほとんどは刺激性接触皮膚炎に該当します。
テープが原因による接触性皮膚炎とは具体的には3つあります。
1.テープの素材によるもの
粘着力の強いテープを使用すると、下まつ毛をしっかり固定でき、アッパーテープでは持ち上げた皮膚が下がってこないようにすることができますが、粘着力の強いテープは剥がす際に皮膚の角質を取り過ぎて肌を傷めてしまう可能性があります。また、テープの粘着剤の成分によっては、稀にお客様の肌質に合わず、かぶれの原因となることがあります。微小孔(通気孔)がないテープは素材によっては蒸れやすく肌を傷めやすい環境を作ることがあります。
2.お客様の肌質によるもの
目元の皮膚は他の皮膚よりも薄くなっているため、季節やホルモンバランスの変化などによる肌質の変化に大きな影響を受けてしまいます。施術前には必ずお客様の目元の皮膚を観察し、乾燥や肌荒れなどをしていないか確認しましょう。
3.アイリストの技術力によるもの
目幅以上の長さのテープを貼る、テープを引っ張り過ぎて貼る、テープが下まぶたに食い込んでいる、勢い良くテープを剥がすなど間違ったテープワークを行っているとお客様は目元に違和感や、痛みを感じることがあります。
目の乾燥
施術時にアッパーテープを行った場合は、アッパーテープで目元を強く引き上げすぎると目が薄っすらと開いてしまい、眼球の水分が蒸発して更に目が乾燥する原因になります。テープワークを行った後は、お客様の顔を下から覗き込んで目がわずかでも開いた状態になっていないか確認するようにしましょう。
目元の違和感
テープワークを失敗すると、テープの端が目に食い込みお客様が目元に違和感を持ちます。ひどい場合は粘膜や眼球を傷つける原因となってしまいます。
お客様の目の形に沿った適切なテープワークを行うことはもちろんですが、テープワークを行った後に目元に違和感がないかお客様にお声掛けして確認するようにしましょう。その際は、「気になるところや違和感はございませんか。気になるところが少しでもあればおっしゃってくださいね」などと、お客様がリラックスしてお答えできるようなお声掛けを意識することが大切です。
また、目元の皮膚は薄いため、適切なテープワークでも違和感を持たれるお客様もいます。
そのようなお客様へは、テープをいつも使用する物よりも優しい素材の物へ変更や、オプションメニューでアイシートや目元の保護クリームをご用意しておくのがおすすめです。
テープの素材選びについて
お客様の肌に直接触れるテープは素材選びが重要です。
医療用のサージカルテープの中でも肌当たりが柔らかく、伸縮性や通気性に優れた粘着力の弱い低刺激のテープを選ぶようにしましょう。
お肌の刺激を軽減できるおすすめテープ5選

柔軟性の高いポリオレフィン系フィルムと透湿性に優れたアクリル系粘着剤を使用。
微小孔付きのメッシュタイプで通気性が良くかぶれにくい。
スキナゲートは多くのアイリストに選ばれる定番商品の1つです。柔らかく伸びが良いため目のカーブに沿わせて貼りやすく、透湿性に優れているため肌が蒸れにくく、長時間の貼付でもデリケートな目元の皮膚へのストレスを軽減します。

まつ毛が見やすい白色の不織布とゲル状粘着剤を使用。
優肌絆のゲル粘着剤はテープを剥がした際に肌の角質をほとんど剥離させないため、皮膚の薄い目元でも優しく剥がすことができます。
また、肌に優しいためファーストテープにおすすめですし、毛羽立ちが少ないため、セカンドテープとしても使用可能です。

微小孔付きのポリエチレンフィルムとアクリル系粘着剤を使用。
キープポアは通気性に優れ、低粘着ながら長時間の施術でも貼ったままの状態をキープできるため、アッパーテープに最適です。テープ全体にミシン目が入っているので好きな長さで簡単に、まっすぐきれいにカットできます。

柔軟性・透湿性に優れた不織布と透湿性に優れたアクリル系粘着剤を使用。
極低刺激性の粘着剤を使用しているため、テープを剥がす時の痛さを軽減してくれます。
また、角質細胞の剥離量も少ないため、敏感な皮膚への影響を軽減します。

皮膚に優しいプラスチックテープと柔らかいアクリル系ゲル状粘着剤を使用。
柔らかいゲルタイプ粘着剤が皮膚の凸凹にぴったりとなじんで密着してくれ、剥がす時には角質層を傷めず優しく剥がせます。
粘着面に角質層が付着しないため粘着力が低下せず、アッパーテープに最適です。テープに均一に小さな穴が空いているため、縦横にまっすぐきれいにカットできます。
テープオフの仕方

綺麗に施術できたとしても最後のテープオフでお客様に痛みを感じさせてしまうと、お客様の施術に対する印象はマイナスに。最後までお客様に満足していただくためにも痛みが起こりにくいテープオフを身に付けましょう。
テープオフのポイント3点
まずは基本のテープオフのポイントを3つご紹介します。
1.テープは肌と平行に剥がす
テープを剥がす際は、肌から垂直にテープを引っ張ってしまうと痛みが強くなります。テープは肌と平行になるように大きく角度を付けて剥がしましょう。
2.ゆっくりと皮膚を押さえながら剥がす
素早くテープを剥がしてしまうと皮膚が引っ張られお客様は強い痛みを感じてしまいます。テープを剥がすのとは反対の手で皮膚を押さえながら、ゆっくりと剥がしていきましょう。
3.先端が丸いツィーザーを使用し、剥がれにくい場合は精製水で濡らす
先端が尖ったツィーザーを使用した場合、気を付けていても不意な事故が発生することも考えられます。先端が丸くなっているツィーザーをテープ剥がし用に準備しておきましょう。また、テープが剥がれにくい場合は精製水をつけた綿棒などでテープの接着面を少しずつ湿らせながら剥がしていくのがおすすめです。
テープをはがすときの痛みが苦手な方への対処法
お客様のテープによる痛みを軽減するための工夫を4つご紹介します。
1.テープの粘着力をあらかじめ弱めておく
テープの粘着力が強いことが原因で剥がす際に痛みを感じることがあります。
そのため、多くのアイリストが実践している対策の1つに、切ったテープを清潔にした物に何度か貼って剥がすことを繰り返し、粘着力を弱めてから使用するという方法があります。ただし、テープはお客様の肌に直接触れるため、衛生面に注意する必要があります。
2.テープの端を折り返して剥がしやすくする
テープを剥がす際、ツィーザーを使用してテープの端から剥がしていきますが、端までしっかりと貼られた状態のテープはなかなかすぐに剥がせないこともあります。繰り返しツィーザーでテープをこすると肌に負担をかけてしまうため、テープを貼るときにあらかじめ端を数ミリ折り返しておくのがおすすめです。折り返した部分がツィーザーで掴みやすくなるため、スムーズに剥がせるようになります。
3.テープの種類を変更する
お客様の肌質に合わせてテープの種類を変更するのもおすすめです。中でも「角質細胞の剥離が少ない」「粘着力が弱めで低刺激」「微小孔付きで通気性に優れている」などの特徴がある肌当たりの優しい医療用サージカルテープを選ぶのが良いでしょう。それぞれのテープの特徴を確認して変更してみてください。
4.テープを貼る前にアイシートを貼る
アイシートはテープよりも粘着力が弱い物が多く、美容液成分が配合されている物もあるため目元をケアしながら施術できるアイテムです。先にアイシートを貼ることでテープが肌に触れる面積を減らすことができ、痛みを感じることなくテープを剥がせるようになります。
ただし、アイシートのみで下まつ毛をおさえようとすると、粘膜にアイシートが付着したり目の中に入ってしまう危険があり、目の中に入るとジェル部分が涙で膨張し痛みが出たり目が赤くなってしまう場合があります。アイシートは目元から3~5㎜ほど離した部分に貼り、その上からサージカルテープを貼ることで下まつ毛をおさえてください。
テープワークにおすすめのツイーザー
テープワークにおすすめのツィーザーを3つご紹介します。
1.【Foula】マイクロツィーザ 平型 日本製 125mm

安心の日本製。日本の職人が丁寧に刃先を研磨しているので噛み合わせは抜群で、一度掴んだテープを逃しにくいため、スムーズにテープ剥がしができます。
刃先が丸くなっていてお客様の肌に刺さることがないため、テープワークで安心して使用できます。

こちらも日本製で噛み合わせは抜群。刃先は丸く、先端が曲がっているため目のカーブに沿いやすいのも使いやすいポイントです。全長156㎜と長く、手の大きい方でも使いやすい長さです。

海外製ながら刃先の丸みは滑らかで、お客様の肌に負担を与えることなくお使いいただけるコスパ商品です。
まつエクオプションメニューとしてもおすすめの商品
続いては、おすすめのアイシートを2つご紹介します。
1.【Foula】アンダー アイジェルパッチ

下まぶたをやさしく保護し、美容液成分配合のため施術を受けながら目元ケアができるアイシートです。サージカルテープによる刺激やかぶれに敏感な目元にご使用ください。
アイシートの表面は毛羽立たないためツィーザーの引っかかりを防ぎ、美容液成分が乾燥しがちな目元をみずみずしく保ちます。個別にアルミパウチに入っているので衛生的です。
2.【EYED’OR】アイリッチパッチ

ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲン、プラセンタエキスの3つの美容成分を豊富に配合しており、気になる目元の乾燥や刺激からお肌を守ります。特殊なシートジェル構造を採用したため、ジェル部分に水分をしっかり含み続けて美容液の蒸発を防ぐことができます。1~2時間装着しても乾燥せず水分を持続し、長時間のケアにも適しています。
施術中のテープワークのストレスを解消し、アイケアとしてもお使いいただけます。
また、目元を保護してくれるクリームを使用するのもおすすめです。
3.【Miss eye d’or】ナノプロテクションクリーム For eye’s 10g

独自成分ナノ・イオミス配合でグルーから発生するアレルギー源、ホルムアルデヒドを98%分解するクリームです。グルーの刺激や皮膚への刺激から目元を保護します。さらにエレクトロプレパレーションにより、グルーと地まつ毛のフィッティングを促進し、遠赤外線効果と美容成分配合で目元にハリを与えます。
まとめ
適切なテープワークを身に着け、肌に優しいテープやアイシートをご用意することはお客様満足度の向上に繋がる大切な一歩です。
本記事を参考に、テープワークの復習や肌に優しいテープ選びを行ってみてください。
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